八神くんは子だくさんの巻(笑)

思春期な若者は好きな女の子と共に無事に朝を迎えたようです。

そして都合のいいことに雷が落ち吊り橋が崩れ宿にいた面々は孤立状態になってしまいます。

小説って凄いわ。
作家先生って楽しいかもしれないわ。

孤立してしまった温泉宿。
ここぞとばかりに事件がおきます。
事件は小説を読んで頂くとして…。

私がお知らせしないとならないのは
八神くんとこよみちゃん♪


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酒の席から抜け出しお猪口片手に一人雪見酒と洒落こむ八神くん。
『八神先輩』
『ああ、灘』
『座っていいですか?』
『え、うん、もちろん』
『星がきれいですね』
『だな』
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映画公開のおかげで脳内で優馬くんとぱるるに変換できる。
楽しい!

ちなみに小説ではこの時の森司の様子を文章で表してくれます。
読者は想像します。
役者は観客が理解できるように演じなければならないから大変だと思うんです。


例えばこの場面。
→『八神先輩』背後で細い声がした。ぐるんと首が回転しそうな勢いで振り返る。だが声だけは平静を装う。
ひとりでに森司の耳が赤くなり頬が火照り心臓が音をたてて高鳴りだす。だがなるべく意志の力で押し隠す。


この数行の描写を数秒で表現するのだから役者さんは大変だと思う!

そして話は進みます。
こよみちゃんったら何気なく想いを伝えたりしちゃいます。
でもねぇ…ヘタレで鈍感でかつすけべな八神くんは気づかないんだなぁ(笑)


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『あの、昨日はありがとう』
『え?』
『えっと、その、吊り橋で手を引いてもらっちゃって』
『こちらこそありがとうございました』
『へ、なにが?』
『なんというか、あの…思いがけず役得というか、神さまにお礼というか、すみません。わたし、何を言ってるんでしょう、気にしないで下さい』
『そ、そうか』
森司はおとなしくひっこんだ。
こよみの言うことは相変わらずよくわからない。
その不可解なところがまた魅力的だ。
とはいえわかりやすい時もそれはそれで可愛らしくていい。
要するに灘こよみであればなんでもいい。
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八神くん。。。


して…缶詰めになってから三日が過ぎたらしい。
みんながイライラし始めた頃。
呑気なのはオカ研メンバーだけのようだ。


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畳に広げられているのは人生ゲームである。
『八神くん、また出産したの?ちょっと子供産みすぎじゃない』
『いや、俺が産んでいるわけでは』
『わたし、馬を三頭も買ってしまいました』

彼らはこの軟禁状態を楽しんでいた。

前の晩森司はこよみと共に板前から大根のかつら剥きや飾り切りを習い、剥いた皮を彼女と競いあってほのぼのと遊んだ。

『次、誰の番だっけ?』
『あ、おれか。また子供できたらすみません』

その台詞が予言のように森司に五人目の子ができた。
祝い金泥棒!計画出産しろ!
などと野次をうけながら祝いの金を集めた。
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八神くん、私は君が好きだよ(笑)